第119章

彼女から徽章を買いたいと聞いてアリシアは小さく首を振った。相手は自分の背中側にいる。首を振ったところで見えないと気づき、口で補う。

「買うだなんて言わなくていいわ。これは、最初からあなたたちのために作ったものよ」

彼らは父の忠実な部下で、しかも自分の護衛としてわざわざ付いてきている。アリシアにとっては手間でも何でもない。作って渡すだけの話だ。そんな相手から、いちいち金を取るほど吝い性分でもない。

けれどケリーは、頑として譲らなかった。

「それは駄目です。材料をたくさん使ってましたよね。どれも安いものじゃない。あなたがこの程度のお金、気にしないのは分かります。でも、こっちが一方的に得を...

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